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世論と民度

ある新聞によると、自民党の細田博之幹事長は7月24日、報道各社のインタビューで、「(首相が見送った)役員人事だろうが、閣僚人事だろうが、どうでもいいことだが、その方がみんな面白いんだから。

国民の程度かもしれない」と述べた後、国民の政治意識は低いと指摘したとも受け取られるだけに、終了後に「誤解を招く表現だった。謝罪します」と述べ、発言を撤回した。

 

私は「民度が低い」という点では同感だ。

最近でも民主党の小沢一郎氏や鳩山由紀夫氏の政治献金問題、中川昭一前財務相の酔っ払い記者会見、鳩山邦夫前総務相辞任に至る混乱 、鴻池祥肇前内閣官房副長官の女性スキャンダル等※で、世論調査による内閣支持率がその時々で変動してしまう。

マスメディアの扱いひとつで無党派層といおうかミーハー族といおうかこの集団は大きく動いてしまうのである。

劇場型政治を行なったと言われる小泉純一郎元首相の仕掛けた郵政選挙では大変な結果が出てしまった。恐ろしいことだ。

 

7月19日付SANKEI EXPRESSで同志社大学社会学部教授・渡辺武達氏は内閣支持率のそのような現象について次のように述べておられる。

 

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これら(※)は人びとの関心を引く、メディア的に〈大きな〉事件ではあるが、私たちの社会の在り方の根底や外交、防衛などにかかわることでも、日常生活の損得になる要素でもない。

にもかかわらず、センセーショナルに報道され、人びとは「情動」のレベルでそれらを受け止め、次の新しい事件によってそれを忘れる。

メディアと人びとが共同して事件を「消費」しているわけだが、政治家はそうした世論調査の結果に一喜一憂し、解散の時期さえ決定する。

その程度の民意・世論で社会が動くことに筆者は疑問をもたざるをえない。

 

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今の世の中は「知性より本性・情動で判断する社会」となっていると言ってもよいかもしれない。

意味は違うが、故大宅壮一氏の言われた「一億総白痴化」状態か。

 

著書『輿論と世論』(新潮社)で「世論(せろん)」と「輿論(よろん)」を明確に区別しているのが京都大学大学院准教授・佐藤卓己氏だ。

前者は大衆の空気・気分であり、後者は担い手のある公的な意見である。

「輿論」によって「世論」を制御することが民主主義の原則であるとする。

 

私は結局、民度を上げなければ解決は難しいと思う。

それには人間の知性を発達させる教育が必要だ。

しかし公教育のあり方が問われ、そしてメディア戦略やマーケティングに長けた教育産業が横行する中、「本来の教育」を見分ける知性が必要になってきているのは皮肉なものである。

 

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