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依存そして社会

6月25日(日本時間26日)に「キング・オブ・ポップ」と称されたマイケル・ジャクソンさん(50歳)の訃報が世界中を駆け巡った。

――「キング・オブ・ロックンロール」と称されたプレスリーは42歳で急逝している。

ジャクソンさんはプレスリーより長く生きたが、名声に押しつぶされる形で人生を終えたことでは、共通することになってしまった。

――とは、ある新聞の記事だ。

さらに、共通という点で考えられるのは「死因は薬物中毒の可能性があるのではないか」である。

2人のスーパースターはその栄光ゆえの強烈なストレス・心身障害から薬物依存に陥り、中毒にまで発展したのではないか。

 

昔日本では、毎日のように酒を呑み仕事も手につかなくなった者を「アルコール中毒(アル中)」と称した。

しかし今では中毒、依存、依存症は区別されている。

中毒とはある物質を摂取した結果、その人の身体に生じるさまざまな不快な反応のことを指している。例えば食中毒・・・」(「依存症」信田さよ子著)

依存とは、ある特定の物質、行動、関係、状態などがその人にとってなくてはならなくなった状態である。

薬物依存、ギャンブル依存、買い物依存、インターネット依存など、さまざまな依存がある。

ランニング時の快感はランナーズハイといわれるが、走らずにいられなくなればこれもある種の依存といえる。」(「精神の脳科学」甘利俊一監修・加藤忠史編)

最近テレビで知ったのだが、携帯メールを打ち続け、返信メールが来ないと不安になるメール依存もあるという。

依存症は『人間関係障害』としてとらえることもでき、時には『家族病』とも呼ばれることになる。

・・・・・・依存症は本人と、周囲の困ってやめさせようとしているもう1人の人との関係によって成り立っている。」(前掲「依存症」)

信田氏による依存症チェックの三段論法はこうだ。

「①ある人Aが習慣的に( )を行う②それによってある人Bが困る③それを知りつつ、ある人Aはその行為( )がやめられない。」

例えば、身寄りのない中年が毎日自宅で酒をあおり、肝臓病で孤独死したとしよう。

この場合、極端に言えばアルコール中毒でもアルコール依存症でもなく、アルコール依存が問題となるだけだということになる。

 

去年から今年にかけて有名大学の学生や力士・著名タレントの息子の大麻所持(原則日本では違法)が話題になってきた。

同年代の息子を持つ親として心配ではある。

大麻はゲートウェイドラッグ(入門薬物)の一種で、乱用していくと、より強い、あるいは効果の違う薬物を求めていく(依存)危険性があるという。

ある新聞に真崎睦子氏(北海道大学准教授)は「ゲートウェイドラッグの代表格が酒とたばこだ」と指摘されている。

酒好きの私としては厳しい意見だ。

 

しかし、戦前そして戦後まもない頃の学生や学者・作家たちは酒を呑みながら哲学論、文学論等に花を咲かせたと聞いている。

学問で言えば、京都は東京に比べ都市として小さいが故に文系、理数系の頭脳が入り乱れて酒場で議論がなされたことも、京都学派なるものができた一要因との見方もある。

残念ながら最近酒を飲みながら、そんな内容で談論風発している若者など目にしたことがない。

歴史文化的にみれば、祭りなども含め酒は社会的に役立った側面もあったとは思うのだが。

 

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