知能に対する定義は数えきれないほどあるという。
一方、私が研修を受けた知能研究所の創始者である故肥田正次郎氏、そして理事長の市川亜夫氏は「知能とは、憶える力・考える力」とそれを定義している。
他方、同研究所の所長である市川希氏は「知能とは器の大きさである」とそれを定義している。
そして、この器が大きければ大きいほど、多くの事柄を吸収することができるという。
まさに知能教育とはこの器を大きくすることを主眼とするということか。
そしてその器に注がれるのが学習による知識などではなかろうか。
(ちなみに、市川希所長は肥田正次郎氏の孫であり、市川亜夫氏の長女である。)
先日からNHKの「人体Ⅱ 遺伝子」のシリーズが始まった。
近時さまざまな遺伝子の働きが発見されてきている。
当然、脳の各部分の遺伝子も存在している。
ところで、生まれつきIQ(知能指数)の高いと言われる人々がいるのは前述のジェフリー・エバンズ氏の例を見ても推測できる。
知能が脳の機能ならば、ある人は親の知能に関するその遺伝子を受け継いでいることもあるし、またある人は受精の段階の突然変異によって特別な知能を持つに至ったとも考えられないだろうか。
しかし、知能は後天的には発達しないのであろうか。
このところ多方面で天才少年や天才少女が話題になっているが、彼らは早い段階で先達に見いだされている。
「知能である器」も遺伝子によって影響を受けると同時に、生後も環境によって大きく変化するものと考えるべきではないか。
後者の意味で、幼児教育は未だその重要性を失っていないといえる。