卒塾と退塾は大きくちがう。
退塾とは卒塾とちがい結果が出ない状態で塾をやめることである。
生徒数が数十名であった個人塾の頃、私は退塾者が出る度に胃がいたくなった。
今は生徒数も多くなりそのようなことが少なくなったが、時折退塾者の情報に接すると残念な気持ちで心が暗くなる。
退塾の理由がこちらの落ち度でない場合でも気にはなる。
最近も地方へ転勤するという理由のものがあったが、その保護者、生徒ともに育星舎のファンであったので大変がっかりした。
退塾の理由がはっきりしない場合はこれからの塾運営にも大きくかかわるので気をつけなければならない。
ところがやめていく生徒や保護者は理由を明らかにしてくれない場合が多々ある。
そんな場合、「どうしてなんですか」としつこく聞くことはできない。
しかし、ほとんどの理由は「成績が上がらない」ということであろう。
競争原理を利用して生徒指導をしている大手塾と異なり、私どものような塾にとってはそれは大きな問題である。
一方、競争原理を利用すれば、「成績が上がらない」ということは他の生徒よりも努力していないということとつながりやすく、塾の責任にはなりにくい。
他方、我々のような夢を持たせてやる気を出させ、面倒見の良い塾での「成績が上がらない」ということは塾の指導不足という印象を与える。
「塾に入れば成績が良くなってあたりまえ」と考えている生徒、保護者には弁解の余地はない。
そんな中で育星舎の学習部門は鍛えられてきた。
成績上位者だけを相手にするのではなく、いろいろな生徒の成績を上げてきた。
私達は生徒数を増やすよりも退塾者を出さないために、指導の仕方を工夫してきたといってよい。
今の育星舎はその点については自負がある。
これからも生徒の夢に応える塾でありつづけたい。