朝日新聞「GLOBE」の3月6日号の特集「入試とエリート」を興味深く読んだ。
2つの大きな大学入試のあり方について、東大を頂点とする日本の大学とアメリカの一流私立大学(特にハーバード大学)を比較している。
実際、日本の従来型の「ペーパーテストの成績だけによる一発勝負入試」(点数主義)をやめ、「多様な背景を持つ入学希望者がより適切に評価される多元的な選抜」(人物主義を加える)を行なおうとしているのが日本の入試改革の方向で、政府はアメリカの一流私大に近い入試を導入しようとしているのである。
この記事を読んで知ったことがある。
アメリカの大学は入学しやすく、卒業しにくいと思い込んでいたのだが、昨年のハーバード大学の入試の合格率は5.3%という難関であったそうだ。
また、ハーバード大学はOB・OG子弟の志願者を他の志願者よりも入試で優遇していて、その合格率は一般志願者の4倍だという。
さらに全米で「年収50万ドル以上」という超富裕層の世帯は1%だが、ハーバード大学では14%で、東京大学の比ではないという。
一方、経済的に裕福でない家庭の子弟が通えるように返済不要の奨学金があることにも驚く。
これらを取材している記者自身が、灘中・高校から東京大学法学部に進んだ旧来の日本型エリートだというのもおもしろかった。