整数を2倍したときにどういう数へと変わるかを考え、条件を満たす整数がいくつあるかを数える問題です。
数える対象をはっきりさせる必要があり、そのためには数の性質を熟知している必要があります。
太郎君と花子さんが1,2,3,4,5,6の6種類の数字だけを並べて整数を作ります。ただし,同じ数字を何回用いてもよいとします。たとえば3けたの整数を作るときは222や353などの整数も作ることができます。太郎君の作る整数をA,花子さんの作る整数をBとするとき,次の問いに答えなさい。
(1) ①2人とも2けたの整数を作るとき,B=2×AとなるようなA,Bの組は何組あるか答えなさい。
②2人とも2けたの整数を作るとき,B=2×A+1となるようなA,Bの組は何組あるか答えなさい。
(2) 2人とも3けたの整数を作るとき,B=2×AとなるようなA,Bの組は何組あるか答えなさい。
(3) 2人とも5けたの整数を作るとき,B=2×AとなるようなA,Bの組は何組あるか答えなさい。
(1) Aの候補を全て書き出して考えるとよいでしょう。
66÷2=33より、Aはおおよそ11以上33以下と限定できます。このうち、1~6を使うものだけについて考えます。
以下、(A,B)とします。
①
(11,22)〇 | (12,24)〇 | (13,26)〇 | (14,28)× |
(15,30)× | (16,32)〇 | (21,42)〇 | (22,44)〇 |
(23,46)〇 | (24,48)× | (25,50)× | (26,52)〇 |
(31,62)〇 | (32,64)〇 | (33,66)〇 |
以上より、11組
②
(11,23)〇 | (12,25)〇 | (13,27)× | (14,29)× |
(15,31)〇 | (16,33)〇 | (21,43)〇 | (22,45)〇 |
(23,47)× | (24,49)× | (25,51)〇 | (26,53)〇 |
(31,63)〇 | (32,65)〇 | (33,67)× |
以上より、10組
(2) Aについて考えていきます。
666÷2=333より、考えられるAの最大値は333です。
Aについて、4はどの位にも例外なく使えませんが、3、5、6は使えるときと使えないときがあります。
5が使えるのは例外的(繰り上がりが発生するときだけ)なので、一旦1、2、3、6の4つの数で考えてみましょう。
百の位に1か2か3、十の位に1か2か3か6、一の位に1か2か3か6を使って作ることができる3けたの数は、3×4×4=48通りあります。
百の位が3の場合は下二桁が33を超えてはいけないので、下二桁が61、62、63、66、36の5通りを引きます。
48-5=43
ここで、百の位が1か2の数について、236のように2倍の計算をしたときに、繰り上がることによって十の位に7が出来てしまう数を除く必要があります。
しかし、その分256のように繰り上がることによって十の位が0から1になる数も同じだけあるので差し引きゼロとなり、考える必要がなくなります。
よって43組あることになります。
(3) (2)の延長でAについて考えます。
66666÷2=33333より、考えられるAの最大値は33333です。
一万の位に1か2か3、その他の位には1か2か3か6が使えると考えた場合、3×4×4×4×4=768通りあります。
ここから、33333を超える数を引きます。
36●●●は4×4×4=64通り
336●●は4×4=16通り
3336●は4通り
3333●は1通りですので、
768-(64+16+4+1)=683通り
本来ここから、31361や、13623のように、3と6が隣り合うことによって2倍したときに7が発生してしまう数を引く必要があります。
しかし、31361は31561、13623は15623のように、3を5に変えた数を同じだけ数える必要がありますので、差し引きゼロとなり、考える必要がなくなります。
よって、683組あることになります。