設問の図形を変形させることにより考えやすくなります。
一つの解法で最後まで解けますが、途中に誘導になるような小問が入っていて、
途中でその解法に気付かせるような配慮がされているようです。
次の問いに答えなさい。
(1) 正三角形の板をすきまなく並べて平行四辺形をつくり、2本の対角線のうち長い方の線で切断します。
図1は、5列3段に並べたときで、切断された正三角形の板の枚数は14枚です。
(ア) 9列4段に並べたとき、切断された正三角形の板の枚数は何枚ですか。
(イ) 41列17段に並べたとき、切断された正三角形の板の枚数は何枚ですか。
(ウ) 189列84段に並べたとき、切断された正三角形の板の枚数は何枚ですか。
(2) 正三角形の板をすきまなく並べて平行四辺形をつくり、2本の対角線のうち短い方の線で切断します。
図2は、5列3段に並べたときです。
833列476段に並べたとき、切断された正三角形の板の枚数は何枚ですか。
図1を、正三角形2枚からなるひし形を正方形になるように、以下のように変形させてみます。
このようにしても切断される枚数には影響しません。
正方形が1枚切断されるごとに三角形は2枚切断されますので、
正方形が何枚切断されたかを求め、その数を2倍するとよいことになります。
ここで、正方形をx列y段の長方形になるよう並べたとき、対角線で切断される正方形の枚数は
「x+y-(xとyの最大公約数) 」
で求められます。
【理由】
点Aから対角線を引くとき、タテ・ヨコの線に到着する度に正方形が切断されます。
よってタテ・ヨコの線の本数の合計=x+yが関係しているのですが、もう一つ重要なことがあります。
それは、正方形の頂点を通る場合はタテとヨコの線を同時に横切るが、
切断される正方形は一枚だということです。
このため、出発点を除く正方形の頂点に到着する回数(xとyの最大公約数)ぶんを引く必要があり、
先述の式になります。
(1)
(ア) 9+4-G(9,4)=9+4-1=12
12×2=24枚
(イ) 41+17-G(41,17)=41+17-1=57
57×2=114枚
(ウ) 189+84-G(189,84)=189+84-21=252
252×2=504枚
もしくは189列84段は(ア)の9列4段の21倍であることを利用して、24×21でも求められます。
(2) 図2を例にし、下図の太線部分について考えます。
太線部分は、「正方形を2列3段の長方形になるよう並べた形」に変形させることができます。
これで(1)と同じ解き方ができます。
2列というのは、上図のように3段に並べた場合は3列減ることから、5-3=2、で求めることができます。
833列476段の場合、
833-476=357列、より357列476段の長方形に置き換えられます。
357+476-G(357,476)=357+476-119=714
714×2=1428枚、となります。