食塩水の公式をもとに、濃さ、食塩、食塩水の三者の間にできる正比例や反比例の関係を駆使して解き進めていきます。
食塩水の重さと食塩の重さをしっかり区別して混乱しないように整理していく必要があります。
3つの容器A,B,Cにはそれぞれ濃度の異なる食塩水がいくらか入っています。
入っている食塩水の重さは,Aが最も軽く,Cが最も重いです。さらに次のことがわかっています。
・A,B,Cに入っている食塩の重さは同じです。
・Cから,Bに入っている食塩水と同じ重さの食塩水を取り除くと,Cに残る食塩の重さは35gとなります。
・Bから,Aに入っている食塩水と同じ重さの食塩水を取り除くと,Bに残る食塩の重さは56gとなります。
・Cから,Aに入っている食塩水と同じ重さの食塩水を取り除くと,Cに残る食塩の重さは63gとなります。
このとき,次の問いに答えなさい。
(1) (Aに入っている食塩水の重さ):(Bに入っている食塩水の重さ)を,最も簡単な整数の比で表しなさい。
(2) Aに入っている食塩の重さは何gですか。
(3) A,B,Cに入っている食塩水をすべて混ぜ合わせたときにできる食塩水の濃度は,Cに入っている食塩水の濃度の何倍ですか。
食塩水の公式は、「食塩=食塩水×濃さ」です。
A,B,Cに入っている食塩の重さは同じなので、食塩水の重さと濃さの間で反比例の関係が生じます。ここがポイントです。
食塩水の重さは、A<B<Cで、濃さはA>B>Cです。
ここで、食塩水の重さの線分図を描きます。
問題文が指している以下の部分を線分図に書きこんで整理します。
・Cから,Bに入っている食塩水と同じ重さの食塩水を取り除くと,Cに残る食塩の重さは35gとなります。→※1
・Bから,Aに入っている食塩水と同じ重さの食塩水を取り除くと,Bに残る食塩の重さは56gとなります。→※2
・Cから,Aに入っている食塩水と同じ重さの食塩水を取り除くと,Cに残る食塩の重さは63gとなります。→※3
※4の部分は食塩水Cについて、※3の部分から※1の部分を引いた重さです。
※2、※4の部分を見ると、同じ重さの食塩水中にBは食塩が56g溶けているのに対し、Cは28g溶けていることがわかります。
このことから、BとCの濃さの比が56:28=2:1であることがわかります。
よって、BとCの食塩水の重さの比は、逆比が起こり、1:2となります。
また、食塩水の重さを比の数値で書き加えると以下のようになります。
(1)
線分図より、1:5
(2)
Cには35×2=70gの塩が溶けています。
よって、Aにも70gの塩が溶けています。
(3)
A,B,Cを全て混ぜ合わせた濃さ
(70×3)÷(<1>+<5>+<10>)=[13.125]
Cの濃さ
70÷<10>=[7]
[13.125]÷[7]=1.875倍