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入江塾は、京都市の塾グループ「育星舎」のなかの中学受験専門部門で、小学生を対象とした学習塾です。授業は1科目週1回1時間。無理のない楽しい中学受験を。本部の北野教室(北野白梅町、円町)を中心に出町教室・桂教室でも開講中。洛星、洛南、西京、洛北、東山、京都女子、同志社など多くの中学に合格の実績があります。

変化する子供たちの日本語

今年も中学入試が終わりましたが、ほっとする間も無くもうすぐ新年度が始まります。

一年は早いもので、現5年生の顔ぶれを眺めながら、中学入試という大仕事を終えて卒塾していった卒塾生たちも去年の今頃はこんな様子だったなぁ‥‥‥と懐かしく思い起こされます。

本当にあっという間の一年間ですが、入試前の1年間、6年生の皆さんの成長は目を見張るものがあります。入試が近づくと表情まで変わってきて、受験生の顔になってくるから不思議ですね。

もうすぐ新学年が始まる今回、私が最近気になっていることをお話したいと思います。

 

阿吽の呼吸は封印!

ある日の演習中。生徒との会話です。

ある生徒が私に近づいてきて、

生徒A
生徒A
先生、トイレ。
私はトイレじゃないけど。トイレに行きたいの?
先生
先生
生徒A
生徒A
(うなずく)
じゃあ、行っておいで。
先生
先生
生徒A
生徒A
(黙ってトイレに走っていく)

 

しばらくして、別の生徒が私をつついて、

生徒B
生徒B
消しゴム。
えっ?消しゴム忘れてきたの?
先生
先生
生徒B
生徒B
‥‥‥。
貸してあげるから、帰りに返してね。
先生
先生
生徒B
生徒B
‥‥‥。

 

どちらも、演習中の教室で毎日にように見られる光景です。

ここで気になるのは、生徒の話している言葉が生徒Aは一語だけ、生徒Bでも二語だけだということです。

そして問題なのは、どちらのシーンも「会話が成立している」ということです。

はたして私は、生徒と阿吽の呼吸で話している、生徒の気持ちを理解することが出来ている、と喜んでいいのでしょうか?

 

新学習指導要領において、「生きる力を育むことを目指し、基礎的・基本的な知識及び技術を習得させ、これらを活用して、課題を解決するために必要な思考力、表現力を育むとともに、主体的に学習に取り組む態度を養うために「言語活動」を充実すること」と表記されているように、今、「言語活動」の重要性が話題になっています

このことからも、単語だけの会話を成立させてしまうのは感心できません。

表現力や思考力をつけるという点から考えると、せめて塾の中だけでも「単語だけの会話は成立させない」ということを心掛けるようにしたいものです。

 

私が子どもたちに望むこと

私が子どもたちの作文指導をしている時、毎回私を驚かせてくれる彼らの迷作(?)を読みながら思うこと‥‥‥

 

・もっと語彙を増やしてほしい

 

・論理的な思考が出来るようになってほしい

 

・豊かな表現力を身につけてほしい

 

私たちはいつも、母語である日本語を使って、話したり考えたりしています。

単純な単語だけで会話を済ませるような生活を続けていると、思考も単純になってしまいます。

複数の単語を使った文章で考え話すようになれば、思考も表現も、もっともっと豊かなものになることでしょう。

 

そろそろ思春期に差し掛かり、あれこれ思い悩むことも多くなっている塾生の皆さんです。

自分の心の内にあるモヤモヤしたものをため込んでイライラしてしまうのは、表現力がないせいで、外に向けて自分の気持ちを思い通りに伝えることが出来ないからかも知れません。

自分の言いたいことを自由に表現出来るようになれば、イライラも減少してストレスが発散できるのではないでしょうか。

 

文章で話すことで算数が得意に?!

また、接続語を自由に操り、論理的に考えて話すことが出来るようになれば、複雑な算数の問題も論理的に考えて解けるようになるはずです。

まさに一石が二鳥にも三鳥にもなるわけです。

毎日きちんと文章で話すことが出来ている子どもたちを注目してみると、「表現力が高いと学習も得意になってくる」のではないかと思います。

 

例えば、中学受験を目指す受験生なら簡単に解ける算数の問題を見てみましょう。

 

原価2500円の商品に原価の2割の利益があるように定価を付け、その定価の3割引で売るといくらの損になりますか。

 

この問題を解けなかった生徒は、この問題を解くために使う計算が出来なかったわけではない、と思います。

この問題を解くには前提条件として、「原価」「定価」「利益」といった語彙が必要です。

また、この問題文の意図を正しく把握しなければ解けません。

そこで順序立てて考え、まず定価を求めるのですが、「原価の2割の利益」というところから、定価は原価×12/10、または1.2倍になることを理解しなければなりません。

定価が出ると、次に3割引で売るので、定価×7/10、または、定価×0.7をします。

ここまで解けてもまだゴールではありません。

問題の最後、「いくらの損になりますか」とあるので、原価から出した売値を引いてやっと答えを出すことが出来ます。

つまり、算数の問題を解くには、論理的に考える力が必要とされるのです。

 

まとめ

今回、「塾生あるある」の何気ない会話から、「もう物わかりのいい講師はやめよう」という私の決心をご紹介しました。

ご家庭での会話でも、ぜひ気を付けてみてください。

お子様との固いつながりを感じる「阿吽の呼吸」の会話ですが、これを機に封印しませんか。

 

筆者:富田

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