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入江塾は、京都市の塾グループ「育星舎」のなかの中学受験専門部門で、小学生を対象とした学習塾です。授業は1科目週1回1時間。無理のない楽しい中学受験を。本部の北野教室(北野白梅町、円町)を中心に出町教室・桂教室でも開講中。洛星、洛南、西京、洛北、東山、京都女子、同志社など多くの中学に合格の実績があります。

消えた銘柄米

米の消費量の減少

米の消費量は、高度経済成長期の1962(昭和37)年をピークに減少の一途をたどっています。

日本人一人当たりの消費量は、1962年が118.3㎏に対して、2016年は54.4㎏と半分以下になっています。

日本人が米を食べなくなり、かわりに肉や乳製品などを多く消費し、食生活が変化してきたことがその原因にあげられます。

消費量は減少の一途をたどっている一方で、銘柄米=ブランド米は毎年のように新しいものが誕生しています。

お米屋さんやスーパーに行くと、「つや姫」「青天の霹靂(へきれき)」「みずかがみ」など数多くの銘柄米を目にすることができます。

たくさんの銘柄米のなかでも、長年にわたって不動の人気を誇っているのが「コシヒカリ」です。

全国の水田の約4割で作付けされている銘柄米の代表格といえます。

1993年以前はその「コシヒカリ」と人気を分け合う強力なライバルが存在していました。

 

東の横綱

その銘柄米を「ササニシキ」といいます。

東北地方、なかでも宮城県で多く作付けされていて「コシヒカリ」と二分する形で人気を博していました。

しかし、現在では作付面積の上位10品種にも入っていませんし、お米屋さんなどで目にする機会も稀な銘柄米です。

 

味がよくないから「ササニシキ」は市場から追い出されてしまったのか、というとそんなことはありません。

いま人気があるのは「コシヒカリ」に代表される、ねばりが強いタイプの米です。

「ササニシキ」は冷ごはんや寿司のシャリに適していて、おかずの味を引き立てる上品なさっぱりとした味わいのお米という評価があります。

味には全く問題がないのなら、どうして姿を消してしまったのでしょうか。

その答えは1993年にあります。

 

1993年の冷害

1993年の夏に東北地方は気温があがらず、100年に一度ともいわれた大冷害に見舞われました。

特に東北地方の太平洋側は記録的な不良となり、コメの買い占めと売り惜しみが起こり、結果的にタイなどから緊急輸入をする事態となりました。

当時、冷害の影響をもっとも深刻に受けたのが「ササニシキ」でした。

その後、宮城県では「ササニシキ」から、冷害や病気に強い「ひとめぼれ」へと転換をしていきました。

冷害や病気のほかに、品質が天候によって大きく左右される「ササニシキ」はこうして上位ランキングから急転落してしまいました。

現在では、その作付面積は全国の約1%しかなく、それは希少なお米となってしまいました。

 

復活「ササニシキ」

流通業者や消費者からの要望もあって、宮城県のJAみやぎ登米は2012年度から『こだわりのササニシキ復活プロジェクト』と銘を打ち、「ササニシキ」の作付け拡大に取組んでいるそうです。

復活が望まれる「ササニシキ」ですが、栽培するのに多くの手間がかかるため現在の兼業農家や週末農家が多い状況では厳しいという声も多くあります。

日本の農業を取り巻く環境の変化もまた「ササニシキ」の衰退に深く関係しているのでしょう。

たまたま頂いた十数年ぶりの「ササニシキ」はとても美味しくさっぱりとした淡麗の味わいがありました。

ぜひとも完全復活をしてほしいものです。

 

筆者:木村A

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