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入試国語 読解問題のつくりかた - 論説文

 

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入試国語の大原則

模擬試験の偏差値が大きく変動する、ときには前回から10アップ、15ダウン…、どれが本当の実力か判断がつかない、生徒との会話でよく耳にするのが国語の偏差値のアップダウンの激しさです。

どうしてこんなに出来不出来に差が出るのだろうか。

本文の読みやすさや読みづらさだけがその原因なのか、それ以外に原因はないか今回は問題作成者の側に立って考えていきたいと思います。

 

まず、国語はほかの教科とは異なり、中学入試であろうが大学入試であるが読解問題へのアプローチの仕方そのものに大きな違いはないといえます。

そして、国語の入試問題には共通する大問の条件があります。

 

次の文章を読んで、後の問いに答えよ。

次の文章は「~」の一節です。これを読んで後の問いに答えよ。

 

必ず書いてありますが大方の受験生は読まずにスルーしていることでしょう。

しかしながら、これが入試問題の国語すべてに共通する大前提なのです。

設問と解は、次の原則によって作成されていることをこの条件は示しています。

 

設問に対する解の根拠は必ず本文の中にある。

 

ですから、読解問題の答えは誰しもが納得できる一つの解になりえます。

もちろん、知識を問う問題である漢字や四字熟語、ことわざ、慣用句、文法などは本文とは無関係なのでこの原則にはあてはまりません。

ですが、ほとんどの設問は先の原則のとおり、本文の枠組みの中で、本文から逸脱しないことを考えた上で作成されています。

 

次に、一般的な問題の形式は大別すると以下の2パターンに分けられます。

 

問 傍線①「 ~ 」とは何か。〈そのものズバリを訊く問題〉

問 傍線②となるのはなぜか。〈理由を訊く問題〉

 

この設問に対する答えは、

 

解 ①「 ~ 」である。

解 ②となるから。

 

「これは何か」と訊かれたら、「これはこれだ」と答えるのが最も正しい!?答え方といえます。

傍線部そのもののおうむ返し、つまり本文の一部を再提示することこそが、理性的かつ論理的な解答となりうるのです。

いってみれば愚直なまでの同語反復が入試における国語にとって大切な姿勢なのです。

そしてこのことこそが、入試というものの限界を表し、私たちにとって馬鹿らしいものとして映る原因となるのです。

たとえば、「5月とは何か」と訊かれたら、「5月は5月です」と答える同語反復がもっとも優秀な答え方となります。

「GWがある、気持ちのいい季節、私の誕生日がある」とか言ってはいけないのです。

実際にはストレートな同語反復ではなしに、同内容の形の異なるもので置き換える、類語反復といったほうが正解かもしれませんが、基本的な原則はこの形であることを念頭におく必要があります。

 

入試問題のつくり方/対処法 - 評論・論説文

ここを出発点として「では、具体的にどうすればよいのか」という疑問に答えていきたいと思います。

問題作成者がなぜ本文に傍線を引いて問題としたのか、その意図がわかれば、解答者はその方向性に沿って答えれば正解にたどり着くことができるはずです。

では、問題作成者はどのようなところに線を引くのでしょう。

ひと言でいうと、問題文中のあいまい(・・・・)な(・)ところ(・・・)に線を引くのです。

問題作成者は読んでいてあいまいでわかりにくく、複雑なところを探すのに腐心するのです。

そしてそれが見つかったら、そのあいまいなところを言い換えてあるところがないか探します。

めでたく見つかったらニヤリと笑って、さきほど見つけた部分に線を引くでしょう。

問題文のつくり方

あいまいな・わかりにくい・複雑・不充分な表現の発見

言い換え部分の発見(解答の根拠)

あいまいな表現に傍線をひきそれは何かと訊く

 

このようにして設問はつくられるわけですから、次に考えていくのはあいまいさとはどのようなものかということになります。

あいまいさは次のパターンに類別されます。

 

あいまいのパターン

① 語句そのものが難しい

② 指示語が含まれる

③ 比喩的・具体的な表現である

④ 傍線部が長く、文構造が把握しにくい

⑤ 傍線部が短く、文の中での傍線部の役割が把握しにくい

⑥ ①~⑤が複合しているもの

 

では、そのあいまいさに対しての対処の仕方はというと、

 

① やさしく言い換える・言い換えているところを探す

② 指示内容を探す

③ 一般的・抽象的な言い方を探す

④ 主語ー述語の関係に縮めて、理解しやすいようにする

⑤ 傍線部を上下に伸ばし、その傍線部のセンテンス中の位置を知る

(主語ー述語の関係を補う)

運まかせからの決別

選択問題であれ記述式問題であれ、この原則と対処法に基づいて問題演習をしていけば運に頼ったあやふやな「解答法」と決別することができると思っています。

受験生が対峙しているのは、本文の作者ではなく問題作成者であることを肝に銘じておく必要があります。

そして、問題作成者はだれからも文句のつけようのない、ただ一つの解答の根拠を示さなければならないので、その思考回路は常に、【 解答の根拠の発見 → 問題文の作成 】となっています。

解答する方は、いっさいの想像力を排して問題作成者の意図に沿って「アルガママ」読んでいけばいいわけです。

とても機械的なつまらない作業となりますが、解き方を早いうちにマスターして型=パターンにあてはめて対処することで、安定的な得点(もちろん高得点)を出せるようになるでしょう。

たまたま好きな興味のあるテーマが出題されたときは高得点で、逆に興味のない理解できないテーマのときはからっきし…。

国語はその時の運に頼る一か八かの不確定要素が多い科目。

そう考えて中学受験、高校受験、大学受験をするのは本当に忍びないと思います。

今回はおもに論説文についての対処法でしたのでいずれ物語文についても書くつもりです。

 

2月からの新年度、国語の読解問題の対処法をイチから身につける弱点克服の授業が始まります。

基本的なことを身につけることが最優先ですが、欲をいえば、テキストの文章を発展させてみんなで話し合う、そんな討論の場となっていくことが理想です。

 

筆者:木村A