選挙で確実に当選するには何票取ればよいかを考えます。
開票途中の状況も出題されていて、難易度は高めです。
誰が自分の当落に関係しているのか、考えると疑問が次々と
わいてくるような複雑な側面があります。
全校生徒1000人の中から役員3人を選ぶ選挙を行うことにしたところ,りつこさん,めいさん,かんた君,まもる君,
やまと君,ちゅうたろう君の6人が立候補しました。
選挙は,立候補者も含めて1人1票必ず投票することとし,投票数の多い3名を役員とすることにします。
このとき,次の問いに答えなさい。
問1 役員に確実に選ばれるには,最低何票必要か求めなさい。
問2 850票を開票したところ,下の表のようになった。このとき次の問いに答えなさい。
問1
最も僅差で勝つ場合を考えます。
まず、1000票を当選する3人と、落選する1人とで平等に分けます。
残り2人の落選候補者には票がいかない(落選する一人が最も善戦する)ようにすることがポイントです。
1000÷(3+1)=250票あまり0
250票では当選確実ではないので250+1=251票が最低必要な票数となります。
このことより、当選確実である票数xは以下のように表されます。
開票している途中の当選確実である票数は、開票前と異なります。
この時点での残り票数は、1000-850=150票
現在3位以上の人はここから、自分に近い候補者から追い抜かれて4位にならないことが重要です。
りつこさんは、残り150票を自分と、2位のちゅうたろう君、3位のめいさん、4位のまもる君の4人で分ける
ことを考えます。
ここまでの得票数と、残りの150票を合わせると、
230+175+150+120+150=825票
825÷(3+1)=206票あまり1
当選確実である票数は206+1=207票なので、りつこさんは当選が確定しています。
次に、既に当選が確定したりつこさんを除いて、2位のちゅうたろう君、3位のめいさん、4位のまもる君の
3人だけで考えます。りつこさんも入れて計算すると、必要な票数が引き上げられてしまうからです。
この場合、当選者が2人と落選者が1人になります。
3人の得票数と残りの150票を合わせると、
175+150+120+150=595票
595÷(2+1)=198票あまり1
当選確実である票数は198+1=199票なので、他に当選確実な人はいません。
答:りつこさん
ちゅうたろう君、めいさん、まもる君の3人は199票必要だとわかっているので、
199-120=79より、あと79票必要です。
【別解】
以上のように考えてもよいですが、問2は図で考えるとわかりやすくなります。
上図のように得票数順に棒グラフをかき、上位4人を選出し、仕切りをします。
そして残りの150票を水だと考えて、低いところから入れていきます。
全て入れ終わったときの水面に当たる部分が当選確実ラインで、ここを上回れば当選が確定します。
りつこさんは既に当選確実で、2位~4位の3人は199票以上得た時点で当選が確定します。