検定制度は今流行りなのか、古くは英語検定から新しくは御当地検定(京都検定など)まで数え上げれば切りがない。
塾業界も係わった漢字検定などはその巨額資金の不透明な流れが問題となり一時世間を騒がせた。
今は、塾講師についても検定制度・塾検がある。
中小塾の集まりである全国学習塾協会(育星舎は入っていない)を中心に数年前に始まった。
この全国学習塾協会は旧通産省(現経済産業省)認可だったので、昔私は先輩塾人に入会するよう勧められた。
「名刺に通産省認可と刷っておけば箔がつく」と言われた。
当時私は言われた意味がわからなかったが、その頃は学習塾という職業は本当に相手にされなかった時代なのである。
さらにこの塾検を「国家検定」にする準備が進んでいる。
指導力を保証してより信頼性を高めたい塾業界とサービス業の質を上げたい国の思惑が背景にあるといわれている。
ところで、2020年の東京五輪の新国立競技場問題で責任があるとされた下村博文氏(9月30日現在文部科学省大臣)は元学習塾経営者である。
それもあって塾業界ではなかなか人気がある。
いろいろな塾団体の集まりに顔を出すだけでなく、自らも塾経営者を集めて組織をつくっている。
そのような氏の働きも塾検の国家検定化に影響しているかもしれない。
私はこのような国とのつながりに疑問を持っている。
在野としての私塾の自由を奪うのではないか、そんな気がするのである。
中小塾であっても国家的気概があってもいいではないか。
福沢諭吉、大隈重信、彼らは時の権力と袂を分かったのだから。