2月21日私は父と共に京都から新幹線で山口県の新岩国に向かった。
駅には私の大学時代の同級生とその奥様が車で迎えに来てくれた。
向かうのは上関にある近辺では有名なふぐ料理旅館。(東京からわざわざ飛行機とタクシーでそこに食べに来るお客もおられるとか)
私の友人は大学卒業の頃、お父様が急逝されたのをうけ方向転換して家業の水産加工会社を継いだ。
そして私の父はそこの監査役。
その関係で彼は毎年、父をこの時期招いてくれる。
そして今回私は父の付き添いがてら便乗した次第。
もちろん自己負担で。
上関に原子力発電所を建設する計画が持ち上がったのは30年近く前だ。
その後原発関係の事故などがあったのも原因だろうか、なかなか現実化しなかった。
それが最近になって「行政側からゴーサインが出た」ということを友人から聞いて驚いた。
補償金も出ているようで、多くの漁師が船を捨てたという。
島に渡る橋の手前、大きく「原発建設反対」と書かれた立て看が現れた。
旅館に着き大皿に盛られた近海もののふぐ刺しなどをいただく。
旅館の女将さんに「おたくは原発建設に反対ですか?」と聞いてみた。
すると「それには答えられません。」とかわされてしまった。
基地問題やダム建設問題などと同様に地域住民にとっては複雑な感情があろう。
原発受注勝ち取れ 官民一体構想
ベトナムで計画されている原子力発電所建設事業をめぐって国際商戦が大詰めを迎える中で、日本でもライバルに負けない官民一体の態勢づくりに向け協議が本格化している。
…地球温暖化対策のため、世界の原発需要の高まりが確実視されており、各国の企業はそれぞれの政府を巻き込み国家同士で競り合っている。
日本も出遅れてはいられない。
3月6日(土) SANKEI EXPRESS
エネルギー基本計画
経済産業省が策定中の、2030年までのエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の原案が20日、明らかになった。
二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するために、十数基の原子力発電所を新増設すること・・・も盛り込んだ。
3月21日(日) 某地方紙
ゲイツ氏 次は原発
東芝は23日、米マイクロソフトの創業者のビル・ゲイツ氏がかかわる米国のベンチャー企業から、次世代原子炉の開発に関して技術協力の要請を受けたことを明らかにした。
3月24日(水) 朝日新聞
核融合ではなく核爆発の原理を利用した現在の原子力発電の危険性はどこまでいっても拭いきれない。
そして利己的、隠ぺい的体質の組織に対する疑いが反対運動の根元にあることは言うまでもない。
しかし、失敗学を提唱している東京大学名誉教授畑村洋太郎氏の次の見解は考えさせられる。
「…日本では失敗すると、『失敗者』というレッテルを貼って、やり直しを許さない風潮がある。だから失敗を個人も企業も隠す。」