名古屋市北区の自宅で2016年、中学受験を控えた小学6年生の長男(当時12)を刺殺したとして、殺人罪に問われた父親のS被告(51)の裁判員裁判の判決が7月19日、名古屋地裁であった。(朝日新聞より ※Sは実名)
最近、ネットや新聞で「教育虐待」について書かれた文章が散見された。特に中学受験で起こりやすいようだ。中学生や高校生に比べ小学生は親の影響力が強いからだろうか。中学受験をはじめて「勉強が嫌いになってしまった」「引きこもってしまった」という相談は後を絶たないという某教育ジャーナリストの意見もある。
「教育虐待」といっても冒頭の例は極端であろう。「薬剤師の家庭に生まれた被告。自身も、そして父親も、この私立中学を受験し、そこで学んだ。……証言台に立った被告の父親は『昔、私がされたのと同じように、(被告にも)窮屈なしつけをしたと思います』と声を詰まらせた。」(朝日新聞)
祖父、父親、長男と代々同じ中学を目指し中学受験に向けて猛勉強をしてきたようだ。ただ1つの中学ではなく、もっと幅広い中学受験はできなかったのだろうか。
中学受験の入江塾では生徒、保護者、入江塾の三位一体の良好な関係成立が成功する中学受験につながると考えている。特に保護者と生徒の関係は重要である。それは、支配関係、依存関係ではなく、社会の構成単位として互助関係、連帯関係でなければならない。
教育虐待は保護者が積極的に受験に関与した場合に多くみられるが、例外的な場合もあるのではなかろうか。私が目にした教育虐待と思われる例を次回以降紹介してみたい。