朝日新聞12月16日付朝刊の1面トップは、<数学 ABC予想「証明」>だった。
長年にわたって世界中の研究者を悩ませてきた数学の超難問「ABC予想」を証明したとする論文が、国際的な数学の専門誌に掲載される見通しになった。
執筆者は、京都大数理解析研究所の望月新一教授(48)。
今世紀の数学史上、最大級の業績とされ、論文が掲載されることで、その内容の正しさが正式に認められることになる。……
数学上の超難問解決という世紀の快挙に関するこれらの記事を私は興味深く読んだ。
理由の1つは望月教授の所属する京都大学の数理解析研究所という名称に思い出があったからだ。
私は大学受験の際、約1年間Y先生という数学者に数学の個人指導をしていただいた。
その方が数理解析研究所の講師をしておられたということなのだ。
Y先生のお陰で数学の成績が飛躍的に伸び、その結果不可能と思われた大学に合格したのである。
私の中学高等学校の先輩という関係で同級生からY先生を紹介してもらったのだが、今から思えば本当に素晴らしい先生と出会えたと思っている。
数学という学問の魅力の一端を垣間見るそんな経験はY先生と出会えていなかったらなかっただろう。
と言っても、先生はプロの家庭教師だったわけではないので教え方はあまりお上手とはいえなかった。