「日本がモデルにしてきた英国の二大政党制が揺らいでいるのを、人ごとのように眺めているわけにはいかない。
…労働党には飽きたが、保守党にも魅力を感じない。有権者を意識するあまり、両党は中道色を強め大方の政策は似たりよったり。
…議会制民主主義の大先輩の姿は、日本の現状と重なって映る。
…選挙に勝てればよいという選挙至上主義からでは、国民の多様な願いは聞こえまい。
未来の社会を示すビジョンも描けまい。」(京都新聞5月9日付)
こんな社説が出た直後、朝日新聞(5月11日付)には「参院選有名選手頼み」との見出しが載った。
情けない現状を読み進むうちに救われる文章があった。
―ただ、政界からの「ラブコール」が必ずしも成就するわけではない。
2007年参院選で自民党はJリーガーの三浦和良氏(43)=横浜FC=に比例区への出馬を要請。
だが、三浦氏は「僕はサッカー選手。政治のことは分からない」と断っている。―(あたりまえのことだが…。)
産業界も同様に集客至上主義が主流である。
教育産業と云われるわれわれ私塾で言えば生徒募集(生徒獲得との恐ろしい表現もあるが)至上主義にあたる。
セミナーの案内も毎日のように舞い込んでくる。
今日は「夏の生徒獲得マル秘マニュアル差し上げます!」との案内が来た。
確かに生徒が集まらなければ塾は生きていけない。
しかし「生徒を集めることに長けてはいるが教育の中身が無い」そんな教育機関が存在してもよいものだろうか。
教育とは程遠い輩が金儲けなどの不純な動機で経営している―そんな塾が繁盛しているのを見るにつけ不愉快な思いを抱く。
私自身、他人を批判できる程の教育者ではない。
しかし、「私塾の使命は保護者・生徒のニーズにこたえることはもちろんだが、教育を通しての社会貢献にある」ことは信じて疑わない。