先日ある銀行で順番を待っている間、何気なく週刊誌をめくっていて興味ある記事を見つけた。
開成だけでなく東大合格者ランキング上位校に多数の生徒を進学させた元”カリスマ塾長”の筒田芳博氏が『優秀な子に育てる秘訣』を明かす。
① 四十年に及ぶ経験で断言できるのは、子どもの成績が伸びるかどうかは、母親の影響が本当に大きいということです。
… 一番優秀なクラスの母親は態度や顔がしっかりしていました。顔がしっかりしているというのは、こちらを真っ直ぐ向いて、集中して話を聞くということです。
十分前には必ず集まっていて、遅刻したり、ムダ話をするような母親は皆無でした。
② 逆に学歴は関係ありません。専業主婦がほとんどで、高卒の方が大多数でした。
聡明で常識のある良妻賢母タイプの母親の子どもが、優秀な成績を上げるようになるのです。
③ 母親に比べると、父親の影響は三割程度でしょう。
父親が東大卒だからといって、子どもが優秀なんてことはない。
④ 父親が仕事から帰ってきて、テレビのお笑い番組を見ながらビールを飲んで、会社の愚痴を言っているようではダメ。
両親が本を読む習慣を見せなければいけません。
学者の子が高学歴になるのは、そういう環境が大きく影響しているからです。
⑤ … 子どもがある程度の年齢になったら、『東大に入るメリット』を説明してあげることが必要です。
… そういう社会の現実を、恐れず怯まず子どもに話すべきです。
それが親の役目だと思います。
⑥ モチベーションを保てる塾選びも大切です。
合格者数が多い大手有名塾に行かせればいいというものではない。
『何百人合格!』というのは全部の校舎を集めた数字であって、各校舎によって実力がまるで違ったりします。
… 各校舎の責任者とか、あとは講師の評判をウォッチすることが必要です。
⑦ … 小一からハッパをかけて詰め込み教育をしてもあまりいいことはない。
… 競馬と同じように、ムチを入れるタイミングをくれぐれも誤らないことです。
(注:①~⑦の番号は筆者がつけました。)
①の内容とは逆だが、最近学校の保護者会では授業中の児童と同様、先生の話を聞かない(聞けない?)親がいるということを聞いたことがある。
事実だとすれば学校の現場も大変なことだと同情する。
②については、ここまでの統計をとったことがないので私にはわからない。
良妻賢母タイプの母親と言われれば優秀な子が育つのは当然とはいえるが、それが学歴とつながるのだろうか。
③の見解には同じ父親の立場として残念に思う。
私が担当している中学受験塾では結構熱心なお父さんがおられ、御協力いただければ良い結果が出るのは実証済みである。
④を読み「やはりそうか」と合点し、父に「俺の小さい頃の親爺の原風景は、酒を呑んでいる姿しかなかったなぁ…。」とつい言ってみた。
「そんなことはない!」と大声で言い返され、不本意ながら88才の父を怒らせてしまった。
⑤の主張は進学塾の立場としては当然だが、私は「下手に大学に行くより手に職をつけた方が良い」と堂々と生徒全員に言うときがある。
⑥の意見には大賛成!まさに塾選びは親の責任です。
⑦に至っては驚いた。
何と、私と同じ例を出しておられるのである。
保護者に私はいつも、「大手進学塾は先行逃げ切り型、当塾は追い込み決着型」と説明してきた
ところで最近同年輩の男性が「母には愛情を感じるが、父にはちょっとそれとちがうな」と言っているのを聞いた。
まことに残念だが、まさに「母は強し」だ。