阿部進先生は何でも関心を持ちビジネスにしてしまうような方との印象を当時の私は強く持った。
前述したように、自分の糖尿病体験をベストセラーに結びつけてしまうことなど朝飯前。
実際私ども育星舎との関係も先生の理科実験教室のフランチャイズ展開が始まりだ。
教育評論家としてはその枠を越えてある有名マンガのキャラクターのぬいぐるみの興行権も持っておられたし、人気画家の展覧会の企画運営なども独占的に手掛けておられた。
同じ闘病体験からその頃塩の販売などの話もよくしておられた。
「工業的に作られる塩は身体によくないが、海水から作られる天然の塩は十分に摂るべきだ」と普段から小さな入れ物に天然塩を持っておられ、ミネラル水に溶かした塩水をよく飲んでおられた。
そして、ある方の作る天然塩を売り出すんだと勢い込んでおられたそんな時期もあった。
私が小・中学生の頃はテレビのクイズ番組やワイドショーなどでタレントとして活躍されていた時期もある。
「学校の教師、その後教育評論家」という職種としては昔から収まりきれないマルチな才能があったのは事実だ。
何しろ先生はエネルギッシュで前向き、人との関係をどんどん広げ活躍の場を広げていかれてるのには感心した。
先生はそんな性格を血液型でO型に由来すると自分で言われたことがある。
「調べてみると僕も含め事務所のスタッフは全員O型なんだ。誰も止める者はいないよね。」
まるで人ごとのような話をされていた。