それにしても誰が放ったのだろう。
それとも集団脱走してきたのかしら。
ペットショップへの行き帰りに公園に立ち寄ってみたが誰も飼い主らしい人はいない。
客観的にみて「捨てられた」と考えざるを得ない状況だ。
そして私がそれを拾ってしまった。
5羽のうち茶色っぽい小鳥がおかしい。
片足が不自由で首が歪んだ状態でとまり木にも止まれない。
私たちが捕まえるときに痛めたようでもない。
生まれつきのものだと思うがそれでもかなり弱っている。
インターネットで小鳥を診てもらえる動物病院を探し、その中で1件今から受け入れてくれる所を見つけた。
京都の東の端だからかなり遠いが家内に車で鳥かごごと持っていかせた。
帰ってきた後いろいろ報告を受けた。
担当は女医さんで、筋肉注射と点滴を打ってもらい、抗生物質とエサにまぜる粉薬をもらってきたという。(「人間顔負けだな」と感心した。)
料金は時間外診療だったこともあり、10,800円。(高くついたが覚悟はしていたのでしょうがない。)
その晩は自宅に持ち帰りその小鳥だけを医者から言われたように別の小さなダンボール箱に移した。
抗生物質を飲まそうとしたが、くちばしを開けてくれないので断念した。
知り合いに小鳥を飼わないか聞いてみたが皆から良い返事はもらえない。
中には「おれが処分してやる。」などという者もいて、「何ということを言う奴だ」と憤慨した。
あくる朝、不安な気持ちでダンボール箱を見てみたところ体つきは少し変だが何とか立っている。
それにエサもつまめるようになっていた。
一安心。
その日、小鳥屋をインターネットで探し、一番近い店に5羽の小鳥を見せに行った。
そこにはたくさんの小鳥達が飼われていた。
出てきた店のおばさんは、茶色の2羽はジュウシマツだと教えてくれた。
カラフルな2羽と黄色い1羽については「何だろう、コキンチョウかなあ?」と種類は分からずじまい。
昨日ペットショップで買ったエサについては問題ないようだったが、「小松菜を与えなさい」と言われた。
そして、弱っているジュウシマツはこの状態でしばらくダンボール箱で育てた方がストレスがなくて良いということだった。
青菜差しと大・小の陶器の水入れを購入して家に帰り、さっそくスーパーで小松菜を買ってきた。小松菜を与えると、なるほど突っつくようにどんどん食べ始めた。
2日目も小鳥達のために結構なエネルギーと費用を使った。
しかし障害を持った小鳥も含め5羽の命にとっては、飼育のズブの素人にそれが託されることが決定する重要な1日となってしまった。(つづく)