(「山村留学その4」 のつづき)
私が塾を始めた頃、学習塾に個別指導という学習形態が現れ、その中に自立型と言われるものが存在してきた。
ただ、自立型学習という名称を前面に出した広告はしてもなかなか生徒は集まってくれなかった。
なぜなら、保護者にとっては「月謝は教えてくれる対価」であるとの認識が一般的であるからである。
すなわち、自習ならば何も高い月謝を払う必要はないと考える方が多いからだ。
しかし、自立型学習と自習は本質的に異なるのだが。
ところで20年程前、個別指導の元祖とも言われるS塾長の塾に見学に行ったときの衝撃は忘れられない。
薄暗い教室の中にベニヤ板で囲まれたいくつもの机があり、そこでスタンドの灯りのもと黙々と勉強している中高生がいた。
S先生はチェックテスト作りが重要だとは言われたが、生徒が独力で参考書を読んで学習してそして成果を出していたのである。
それも高い月謝を払って?
今年に入って自立型の指導形態をとっている塾長と数名出会った。
皆それぞれ工夫しておられる。
直近ではY塾長。
「中学生は週4回は来させている。来られない生徒は入塾させない。」ある映像教材を使って自立型を実践しておられるのだが、その自信たるや圧倒された。
9月初旬には私の主催する研究会にお招きしたH先生。
「参考書だけで合格する法」のキャッチフレーズには惹かれた。
それぞれの生徒に合った、多種多様の参考書を紹介するための努力には感心した。
さて私ども育星舎グループにも自立型学習形態が存在する。
林部が塾長の現Vキャンパス(大学受験教育)だ。
私の息子の高校受験は彼が担当してくれたのだが、彼は現在のVキャンパスと同じようなスタイルで息子を指導してくれた。
それが息子にはピッタリ当たったのか、毎日塾に通って猛勉強を続けた。
学習の方法や要点を教えてもらい、後は問題を解く。
もちろん質問はしていたが、自分で考え解いている時間の方が圧倒的に長い。
その甲斐あって、結局悲願のR高校に合格してしまった。(私の予想に反して)。
私は息子の長年の学習を見てきて、開塾当時に比べ教育観が大きく変わったような気がする。