育星舎は創業が昭和58年だ。京都の御室仁和寺山門前の木造民家の2階で始めた。生徒数も初め数年は数える程しかいなかったが、その頃では珍しかった個別指導をやり出し、生徒が増えていった。近くのビルの一室に分室も借りてクラス指導も出来るようになった。しかし、分室の家主は契約1年後に建て替えると言い出した。約束違反だと食い下がったが、相手の態度はまさに「やくざ」。話にならないと思い移転先を探し出した。この際、一気に表通りへ出ようと考えたが資金がない。父の保証で銀行から融資を受け北野白梅町の近くの物件を借りることにした。生徒数も増やさなければ続けられないような移転費及び家賃だった。
ちょうどその時、東京の教育評論家の阿部進が理科実験教室のフランチャイズを募集していた。京都で唯一、私が提携した。移転の際、チラシの表裏に私と阿部先生の顔写真を出して大々的にアピールした。それが功を奏し、塾部門も理科実験教室の部門も多数の生徒が来てくれた。理科実験教室は阿部進先生の息子が京都に居を構えて、運営してくれた。それが育星舎グループの始まりだ。理科実験指導は、今は独立して「科学の学校」として布柴先生が中心となって活動している。私は中学生も教えていたが、徐々に小学生の中学受験に専念するようになった。それが「入江塾」となった。また、理科実験教室を出町柳、桂、伏見と展開し、それと共に個別指導教室を設けた。それが、今の「出町アカデミー」、「桂カレッジ」、「伏見ゼミナール」で、それぞれ古川先生、西田先生、池田先生が頑張ってくれている。
一方、本部の中学部門は今は一番の古株、林部先生に任せるようになった。彼は数々の実績を出していったが、何といっても私の息子を洛星高校と西京高校エンタープライジング科に合格させてもらったことは個人的にも感謝するところである。その後、彼は大学受験専門の「Vキャンパス」を立ち上げ、大学受験でも大いなる実績を出してくれている。
現在、本部の高校受験部門及び個別指導部門は「伸学α」として香口先生と志水先生それぞれを筆頭にクラス指導と個別指導を行っており、自習室は満席状態である。
そして忘れてならないのは、知能教育の「マナ英才学院」だ。理科実験が軌道に乗り出した頃、私は受験部門以外でもう一部門できればと思い、東京の知能研究所(知研)に研修に行った。知能や脳のことを研究する人々に出会えその後の財産となっている。現在は若手の長瀬先生が中心となって子供達を指導させていただいている。
私が0から始めた塾が、今は専門塾の集まりとして育星舎グループを形成していることは隔世の感がある。
●育星舎グループ:入江篤志
☆小3の頃は、九九が覚えられず 居残りをさせられたぐらいの学力の子。
しかし、すぐれた師匠達との出会いのお陰で、私立洛星中学、さらに京都大学法学部に合格する。
ところがその後学習意欲を喪失。
長いモラトリアムの末アルバイトをしながらプロ家庭教師に、そして育星舎グループを設立、現在は同グループ顧問。
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