入江塾講師・木村隆志です。普段私は通常授業(理科)や洛星対策授業(理科)、演習指導、個人指導にて指導しています。
今回はその中で生徒の勉強の仕方で注意してほしいことを書きたいと思います。
それは「直し」がきっちりできていないという点についてです。
特に成績が伸び悩んでいたり、低迷している生徒に見られます。
入江塾での宿題のやり方については、各教科ともに出された課題を解いたあと自分で赤色で丸つけをしてもらい、間違った問題はもう一度解き直して青色で丸つけをし、それでも直ってなければ三度目は緑色で丸つけをという具合にやってもらい提出してもらいます。
実際に提出されてきた宿題を見てみると、多くの宿題はやり方どおりに丁寧にやってくれているのですが、中には丸つけさえできておらずに提出されるものがあったり(これは論外で即座に注意し、やり直させます。)、疑うわけではありませんが一見出来ているようで、本当に間違った問題の直しをきっちりやってくれているかが分からない宿題もあります。
直しがきっちりできていない宿題というのは、間違った問題を解き直さずに丸つけをした際に答えをそのままうつすだけで終わっている状態のもののことです。
また、ひどいケースでは間違った答えや間違った字(漢字)を書いたものを直した宿題として提出されることがあります。
この状態で提出された宿題は実質宿題が完了できていません。
算数の計算問題で正答をうつすだけでは、もちろん何の意味もありません。
計算力をつけるにはきっちり解ききる訓練を日々こなす必要があります(秋定塾長コラム:「私たちが日頃計算の大切さを力説するワケと計算力を上げる3つのコツ」参照)。
また算数の文章問題などで解説を見てそれをうつすだけのケースも問題です。
これは生徒自身は宿題をやった気になるのですが、学習ではなく解説をうつすという作業をしただけにすぎません。
ですのでこの後の授業で再び類題が出てきたり、演習指導中に解いてもらっても手がつけられないということをしばしば目にします。
したがって、まずは内容・解き方を理解した上で何も見ずに再現できるようにすることが必要です。
同様に理科で計算を伴う問題においても原理・原則をしっかり理解して正答を導き出せるようになることが求められます。
理科や社会で暗記事項の問題の場合は丸つけ時に正答を確認して終わるケースが多い気がします。
ある程度はその時点で頭に残ることはあるのですが、そういった記憶はすぐに忘れてしまいます。そこから暗記の勉強に発展させてほしいと思います。
入江塾では小5の秋以降より五ツ木・駸々堂模試を必修として受験していただいております。(それまでも小5での受験は可能です。)
模擬テストを受験し、返ってきた成績表を見て一喜一憂している生徒の様子をよく目にします。
その結果は志望校を選ぶ材料にしていくのですが、模擬テストは現状何ができていて何ができないのかを確認する学力診断です。
したがって偏差値を見て良かった悪かっただけで終われば当然これも意味がありません。
模擬テストの直しは多くの生徒は演習指導の中で行ってもらっています。
その中でもう直しが済んだの?と思うほど早く済ませている生徒がいます。
本当に出来ていることもあるでしょうが、もう一度解いてできる?と聞くと苦笑してもう一度見直し始める場面も多く見られます。
解説を見ただけでわかった気になっているということもあるので、宿題の直しの場合と同じで正答を確実に導き出せるところまで理解を深めることが大事です。
本番の模擬テストだけでなく試験日の1~2週間前には演習指導の中で模試の過去問を練習してもらっています。
これについても同様で間違った問題をきっちり直し、解けるようにすることで実力アップにつなげてもらいたいと思います。
ひとつ注意点としまして、模擬テストについては学習進度の違いで未学習の範囲がある場合や難問を含む場合があります。
また実力差が生徒ごとにありますので取り組む問題をその時の生徒の力量を見て選ぶ必要はあります。
その点については私たち入江塾講師陣に相談をしていただければやり直す問題を指示・指導いたします。
できていなかった教科や単元の克服を今後の学習の目標にして取り組んでもらいたいと思います。
演習指導の中で「直し」ができていない生徒を見つけたときにはその場で注意し指導しています。
しかし宿題の場合、各ご家庭で終わらせて提出されたものについては「直し」がきっちりできているかの判断がつきにくいので、ご家庭での管理が重要になります。
一度ご家庭での宿題の取り組み方を確認してみてください。
以上、普段の宿題と模擬テストの2点についてのみ「直し」の気になる点を挙げましたが、その他の学習の場面(例えば入試前の志望校過去問演習など)でも全て同じです。
できた問題よりできなかった問題の方が大事です。
真剣に「直し」に取り組むことが学力向上の手段のひとつになるはずです。
筆者:木村隆志