新年度の学習がスタートしてから2カ月ほど経ち、新学年の学習は順調に進められているでしょうか。
中学受験の勉強において中心になるのが算数と国語ということもあるかもしれませんが、理科の勉強に時間をかけられていない生徒は少なくありません。入試における算数・国語の比重は高くなってきてはいますが、当然理科を軽視して合格を勝ち取ることはできません。
入江塾では四谷大塚の予習シリーズを教材として取り入れてカリキュラムを進めています。理科においては4年でやったことをもとに5年の1年間と6年のはじめの数回の授業で中学受験に必要な理科の単元を全て終えます。そして6年でもう一度全範囲を総復習していくことになります。
各単元の基本事項・原理をほぼ全て5年生でやることになるので1回1回の授業内容も濃くなっていきます。5年のはじめの時点で受験を意識できている生徒はなかなかいないと思うのですが、「6年で勉強する機会がまだある」とは思わず、生徒には5年が大事という意識を持って授業に臨んでほしいと思います。
近年の理科の入試問題では、難関校になると知識の暗記だけでは解けない問題が多くなってきており、読解力や思考力・計算力も必要ですし、それらの総合力が必要になってきているのは確かです。しかし、問題を解く上でベースになるのは「正確な知識」です。
したがって5年(4年)の理科の勉強としてまずやってほしいことは、正確な知識・正しい原理を「覚える」ということになります。理科が苦手という生徒は、理科は必要な知識量が多いのでそれらを覚えるには四苦八苦するでしょう。また星座・星の名前や動植物の名前など単純に暗記するしかないものは面白くないと感じているかもしれません。
そのような場合には四谷大塚の予習シリーズはカラーで図・写真も多く掲載されていて見やすく作られていますので、文字だけを追うのではなく、テキストの図や写真を一緒に見てイメージをつけて覚えると記憶に残りやすいですし、その分野に興味を持てるようにもなるかもしれません。
他に暗記の方法となると、「テキストを読み込む」「白紙やノートに繰り返し書く(青ペンを使用するなど)」「テキストの重要箇所に赤マーカーを引き、赤シートで隠して覚える」「問題集を繰り返し解く」などいろいろとありますが、生徒にはどの方法でも良いので自分に合った方法を見つけて実践してほしいと思います。
そして暗記について最も重要なのは「繰り返しやる」ということです。一度や二度やっただけでは必ず忘れます。取り組む頻度が増えることで知識は安定していきます。
また、どの程度の範囲を覚えていかないといけないかということになると、予習シリーズには発展的な内容を含んでいる単元もあるので、入江塾の理科授業では各単元で大事な基本事項や原理をまとめ、板書したものをノートにとってもらいます。5年(4年)の時点ではその各自がとったノートの内容や配布した資料プリントを中心にまずは覚えてほしいと思います。
今回は理科を担当している立場から、理科の勉強は(6年生で頑張るのは当然として、)5年生が大切であることとその中で覚える勉強をしっかりやってほしいということを述べました。
理科は大きく化学・物理・生物・地学の4つの分野に分かれており、それぞれに連続性はないので分野ごとに頭を切り替えれば、算数より勉強がしやすく成績も上げやすいと思います。
できるだけ分野ごとに知識の穴ができないように5年での勉強を頑張って6年に、そして受験につなげてほしいと思います。
筆者:木村隆志