いじめと自治
大津市の中2男子自殺問題で、滋賀県警は11日、暴行容疑で男子生徒の通っていた中学校と教育委員会が入る大津市役所を家宅捜索した。
これは先月のある新聞記事の一部だが、テレビニュースでも大々的に報じられ話題になっている。
自殺されたお子様の父親は、ここまで事態が大きくなるとは思っておられなかったようだ。
ただ、「息子の自殺の原因が何であったのか。その真実を知りたいだけ」であったという。
たび重なる訴えにもかかわらず、学校、教育委員会や県警から見放された父親の執念が実った形だ。
私も1人の父としてその気持ちはよく理解できる。
大阪府貝塚市で昨年10月、同府泉佐野市に住む府立定時制高校1年のAくん(当時18歳)が「金が払えない」などとメモを残して自殺していたことが27日、分かった。
府警は当時同じ高校だった少年ら3人がひったくりを強要した疑いがあり、Aくんへのいじめが自殺の原因となった可能性もあるとして、強要容疑などを視野に捜査を始めた。
これも先月のある新聞の一部抜粋。
父親は捜査を求めたが、府警貝塚署は金銭の貸借だった可能性が否定できないとして昨年末に捜査を打ち切った。
それにもかかわらず府警が少年課の捜査員を貝塚署に派遣し、26日に再捜査の意向を父親に伝えたのは大津市事件の影響か。
報道によってしかもちろん知ることができないのだが、父親2人の主張がもし事実とするならば、中学校、教育委員会、及び警察の初期段階における対応には呆れる他ない。
以前このブログで書いた「公僕」の問題点そのままである。
大津市の事件で、加害者が被害者に「自殺の練習と言って首を絞めたり、葬式ごっこをさせていた」とするならば、極端に言えば加害者は殺人の※間接正犯ではなかろうか。
また貝塚市の事件では上記のように犯罪性は明らかである。
警察の介入は当然だろう。
昔、大学紛争盛んなりし頃に大学構内に警察が入ったことがあった。
それに対し「大学の自治」が叫ばれた。
翻って、現代では「第三者委員会」なる言葉がマスコミによく出てくる。
各組織の自治能力が衰弱している現状が学校教育にも出ているとみてよい。
※間接正犯…他人の行為を利用して自己(しばしば背後者という)の犯罪を実現する正犯のことである。共犯ではないというのが通説である。 出典:フリー百科事典「ウィキペディア