• 0120-19-71-48平日 15:00~22:00
    土曜 13:00~20:00
  •            
  • お問合わせ
               
  • 0120-19-71-48平日 15:00~22:00
    土曜 13:00~20:00
  • お問合わせ
入江塾は、京都市の「育星舎」の中学受験専門部門で、小学生を対象とした進学塾です。無理のない楽しい中学受験で志望校合格を目指します。本部の北野教室(北野白梅町、円町)を中心に出町教室でも開講中。洛星、西京、洛北、東山、同志社、京都女子、同志社女子など多くの中学に合格の実績があります。

仮面うつ病 2

そう言えばもう1人うつ病患者を知っている。

なぜすぐに思い出せなかったのだろう。

 

彼は元大手進学塾の室長だったが、そこでの激務で体調をくずし退職後、私の塾の非常勤講師となった。

さすがに生徒の扱いもすぐれており、授業も好評だった。

何年か勤務してくれたが、ある会食の時「うつ病の薬を飲んでいるのでアルコールはダメなんです。」と言われ、私の呑み相手が1人少なくなることを残念に思ったことがある。

 

それから何ヶ月かして“当日欠勤”が目立ち始めた。

体調が理由とはいえこちらとしては仕事上困ってしまった。

ある日「うつ病がひどくなったのでしばらく休ませてもらいたい」という趣旨を丁重な表現で記した一通の手紙が届いた。

心配して彼の担当医師を紹介してもらい病状を聞きに行ったことがある。

初めて神経科病院の門をくぐった。

当時はこんな所に来るのは特殊な人だろうと他人事のように思っていた。

 

その後彼は自室で1人養生していると聞いていたが、ある時銀行のATMの所でバッタリと会った。

お互い挨拶はしたが、彼は気まずそうにしていた。

その様子は痛々しいとしか表現できなかった。

今の私だったら温かな言葉がかけられたかもしれないが、その時の私にはそんな一言は何も思い浮かばなかった。

それから何度か連絡をとり合ったが、だんだんと音信不通に。

現在は元気にしているのだろうか。

 

「長い歴史をもつドイツ精神医学では、病的な躁状態やうつ状態を呈する疾患である『躁うつ病』を、統合失調症と並んで2大精神病の1つとして扱い、内因性精神病の一方の代表と見なしていました。」(「脳の病気のすべてがわかる本」矢沢サイエンスオフィス編 Gakken)

 

ここで表現されている躁うつ病は現在では気分障害と言われ、躁状態をともなううつ病(双極性障害)、それをともなわないうつ病、そしてそれらに比べて発症数の少ない躁病に大きく分類される。

しかし、冗談だとは思うが作家の北杜夫氏の言われるように「躁とうつの周期が例えば100年単位であれば一生うつ症状のままの躁うつ病患者もあり得る」のである。

私が体調異変を感じ出す前の自分は躁状態だったかもしれない。

 

いずれにせよ当時この病に偏見を持っていた私は「世間には知られたくない精神病に罹ってしまった」という思いを否定したいが故に当初彼についての記憶を遠ざけてしまっていた。

ふり返ってみるとそう思う。

(つづく)

 

代表ブログトップへ

入江塾トップページへ

お問い合わせはこちら

フリーダイヤル(スマホ用)

メール(PC・スマホ共通)

 


●育星舎グループ顧問:入江篤志

☆小3の頃は、九九が覚えられず 居残りをさせられたぐらいの学力の子。

しかし、すぐれた師匠達との出会いのお陰で、私立洛星中学、さらに京都大学法学部に合格する。

ところがその後学習意欲を喪失。

長いモラトリアムの末アルバイトをしながらプロ家庭教師に、そして学習塾を設立、今に至る。

 

2022年の記事一覧

2021年の記事一覧 2020年の記事一覧

2019年の記事一覧 2018年の記事一覧

2017年の記事一覧 2016年の記事一覧

2015年の記事一覧 2014年の記事一覧

2013年の記事一覧 2012年の記事一覧

2011年の記事一覧 2010年の記事一覧

2009年の記事一覧 2008年の記事一覧

 

代表の対談・座談会はこちら(育星舎ホームページへ)

 

代表ブログトップへ

入江塾トップページへ